パニック障害に効果大!治療に用いられるのはこんな薬!

何の予兆もなくやってくるパニック発作。パニック障害は精神領域の疾患ですが、その症状は主に体に現れます。動悸やめまい、発汗、吐き気などといった症状が同時に起こり、初めての発作時は「死」の恐怖すら感じるほど強烈なものです。

パニック障害の根底にあるのはこのような発作に対する恐怖です。「またアレが来たらどうしよう」という恐怖によって日常生活に支障が出てくるのです。

このような発作に対する恐怖に対しては薬物療法が大変効果的です。治療に用いられる代表的な薬を紹介します。

主な薬は2種類!パニック障害の治療に用いられる薬

パニック障害の治療には主に2種類の薬を使用します。

  • 短時間で効果を現す即効性のある薬(抗不安薬)
  • 長い時間作用し、脳内物質を一定に保つ薬(抗うつ剤)

この様に複数の薬を上手に組み合わせるのが現代のパニック障害治療のスタンダードとなっています。その他に、薬物を使用しない精神療法なども組み入れていく場合もあります。

発作時にも効果大!即効性のある薬

即効性のある薬として「抗不安薬」があります。この薬は服用してから効果が現れるまでの時間が非常に短く、およそ30分以内となっています。ですから、パニック発作時や発作が予測される場面(電車など)での服用を目的としています。

持続時間は短い

即効性があるのが抗不安薬のメリットですが、その分作用時間も短いのがデメリットです。そのため、抗不安薬は服用のタイミングが重要になってきます。

代表的な抗不安薬

パニック障害の治療に用いられる代表的な抗不安薬を紹介します。一般的には「ベンゾジアゼピン系」という薬が用いられます。

ベンゾジアゼピン系薬の特徴

不安にはGABAという脳内物質が関係しています。GABAは主に興奮や緊張を静める働きを持っています。ベンゾジアゼピン系の薬はGABAの働きを強めてくれるため、不安や恐怖を感じにくくさせてくれるのです。

抗不安薬と作用時間の目安

効果の強い順番に紹介します。※()内は商品名

  • プロマゼパム(レキソタン、セニラン):中間(12時間)
  • エチゾラム(デパス):短時間(3~6時間)
  • クロキサゾラム(セパゾン):長時間(20時間)
  • ロラゼパム(ワイパックス):中間(12時間)
  • ジアゼパム(セルシン、ホリゾン):長時間(20時間)
  • アルプラゾラム(コンスタン、ソラナックス):中間(12時間)
  • クロチアゼパム(リーゼ):短時間(3~6時間)

薬の作用には個人差が非常に大きいため、医師と相談の上、服用する薬の種類や量を決定してください。

発作予防と根治に向けて!じっくり作用する薬

抗不安薬とは異なった作用を持つ薬を紹介します。一般的にはこれから紹介する薬をメインに服用し、抗不安薬を補完的に服用するというのがパニック障害の薬物治療の王道です。

長い時間作用し、脳内物質を一定に保つ薬

パニック障害には、抗不安薬に併せて抗うつ剤を服用します。抗うつ剤の中でも特にパニック障害に効果的とされているのはSSRIという種類の薬です。SSRIは長時間作用し、脳内物質を安定させてくれる働きがあります。

SSRIとはどのような薬?

抗うつ剤は、セロトニンという脳内物質に作用します。セロトニンとは安心やリラックス作用を持ちます。うつ病やパニック障害ではセロトニンが足りなくなっている状態ですから、抗うつ剤を服用することでセロトニンの量を増やしていくのです。

SSRIはセロトニンが過剰に消費されるのを防ぎ、セロトニンが脳内に十分たまるように働きます。そのため、セロトニンの量を一定に保ち不安や緊張を感じにくい脳にしていくのです。

SSRIの効果が現れるまでには時間がかかる

SSRIはセロトニンの過剰消費を阻害し、徐々に脳内の量を増やしていく薬です。そのため、抗不安薬のように即効性はありません。セロトニン量が十分となる(=効果を発揮する)までには約1カ月程度かかるのが一般的です。そのため、長期間の服用を必要とします。

SSRIの種類と強さの目安

代表的なSSRIを効果の強い順番に紹介します。※()内は商品名

  • エスシタロプラム(商品名:レクサプロ)
  • セルトラリン(商品名:ジェイゾロフト)
  • パロキセチン(商品名:パキシル)
  • フルボキサミン(ルボックス、デプロメール)

抗不安薬同様、薬の作用には個人差が非常に大きいため、医師とご相談の上、服用する薬の種類や量を決定してください。特に抗うつ剤は抗不安薬よりも副作用はやや強くなる傾向があるので、十分ご注意ください。

だんだん効かなくなる?薬物耐性とは?

薬物耐性とは「同じ量を使用しても効果を感じなくなり、量を増やさなければ効かなくなる」ことを言います。耐性は薬だけに限らず、日常生活上でも多く見られます。例えば、ジェットコースターなどは何回も乗っているとその刺激に慣れてしまいますよね。そして最初に感じたスリルを感じられなくなってしまいます。簡単に言えばこれが耐性です。

向精神薬では薬物耐性が付きやすい

精神に作用する薬は耐性ができやすいのが特徴です。。特にベンゾジアゼピン系の抗不安薬は他の薬と比べると耐性が付きやすいデメリットがあります。ですから抗不安薬は常用するのではなく、SSRIで症状が安定してきたら服用量や頻度を医師と相談しながら調整していってください。

やめられなくなる?依存と離脱症状について!

依存とは?

違法薬物にはよく「依存になってやめられなくなる」という警告を耳にしますね。ここまで大げさではなくても、向精神薬にも依存性があります。特にパニック障害には「薬を飲んだから大丈夫」という精神的なお守りのような作用もありますから、薬に対して精神的に過度に依存してしまう傾向があります。

離脱症状とは?

治療が進むにつれて、いつかは薬の服用を完了する時が来ます。薬をやめたときに現れる身体的・精神的な苦痛症状を離脱症状といいます。いわゆる「禁断症状」のようなものです。

耐性ができ、依存性がある薬にはそれだけ離脱症状も強く現れます。症状の種類や強さは人それぞれですが、おそらくほとんどの人が避けては通れない道でしょう。

自己判断は絶対にNG!

症状が安定して治療も大詰めになってきたら、離脱症状を最小限に抑えるためにゆっくりと時間をかけて薬の量を減らしていきましょう。これは決して自己判断で行ってはいけません。必ず医師と一緒に行っていきましょう。

上手な薬との付き合い方

以上、パニック障害の治療に用いられる薬について紹介してきました。いくら経験豊富な医師であっても、「実際に服用してみないと合うかどうかは判断できない」のが実際です。焦らず自分に合う薬を見つけてください。そして服薬については必ず医師の指導を守ってください。自己判断は絶対にしないことが一番重要です。また、薬に過度に頼りすぎず精神療法の併用なども行いながらパニック障害の克服を目指しましょう。

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